福井 パート看護師

最期の現場

患者さんの死や急変などシビアな状況に疲れてしまった時というよりかは、母が突然倒れ急死し家族の立場を経験した後に仕事ととして病棟で亡くなられた現場に立ち会った時、母の急変の事が重なって患者家族に言葉を掛けようと思った時言葉より先に何だが込み上げて来て言葉を掛けれない状況になってしまいました。自分でも考えても居なかった感情だったのでこのまま続けるのは無理だと感じ退職したことがあります。人の死に立ち会うことが無いであろう訪問看護という仕事に就いたのですが就職して直ぐに自宅での臨終を望んでられた方が亡くなって立ち合い、その後の処置も自宅でという初めての体験をさせて頂きました。この時は看護師として凛としなくてはと思っていたのですがやはり涙が込み上げてきました。しかし患者家族からすると嬉しい感情だったようです。訪問看護は3年くらいしましたが臨終の現場に立ち会ったのはこの時1回限りでした。この経験があって再度病棟勤務に戻った時は悲しいとか辛いとかではなく、最期はちゃんと送り出してあげたいと思うようになりました。患者家族としての経験は私にとってはとても重要で母を亡くしたことはとてもつらい事ではありましたが医療従事者として体験出来たことは良かったと感じます。良かったと思うと同時に、医療職は命を目の前にしてなにもすることが出来ないんだと痛感しました。私たちの仕事は少しでも患者さんが元気で苦痛なく長生きが出来るためのサポート役でしかないんだという思いに行きつきましたし、病気を治すのは患者さん自身なんだという事を実感として学びました。人が無くなるという事はこの上ない事ですが臨終の現場に立ち会って辞めたいと思った事はこの1回限りで、最期の現場はその人その人の歴史と人生が見える瞬間でもあります真摯に受け止め努めていきたいと思っております。